「経営」と「事業」に必要なもの...お金だけではない
はじめに
今日は経営者としての視点からお話をしていこうと思います。
経営に興味の無い方はスルー頂いて構いませんので....笑。
今、起業を考えている人やご自身の仕事で壁を乗り越えられずにいる人の参考になれば幸いです。
自分の過去の経験談も交えています。
サラリーマン時代には経験しなかった事や考えなかった事。
事業を経営するとは、実際にやってみてその苦労が良く分かります。
トップは常に孤独です。私自身も今後の事などを考えるときは一人になってじっくり考えいます。何かの判断を迫られる時は一層の孤独感やストレスとの戦いです。しかしそんな中、一番の心の支えは家族....特に妻であったり、税理士さんというアドバイザーが経営の支えになってくれている事でしょう。
会社員時代を振り返ると、顧問税理士さんなんて接点も何も無いわけで、実際に社長と税理士さんとの間でどんな話をしているのか.....なんで興味も沸かなかったものです。
しかし、実際に自分で起業してみると税理士さんの明確なアドバイスが無いと、なかなか事業を前に勧められないのも事実。有り難い存在です。
確かに、税理士さんに頼らずともご自身で決算から申告までされるスーパー経営者さんもいらっしゃるでしょう。私からすれば尊敬に値します。
事業に必要なものとして、人・モノ・カネ などとよく言われます。
一見、ちょっと汚い話に聞こえますが、事実なのです。
人
人は一人では事業を起こすことは可能でも、継続する事は困難です。
一人で事業をされている経営者も私の知り合いにいます。しかし、事業規模や顧客・売上が大きくなれば、いずれにせよ人を雇わなければなりません。
この事業に必要不可欠な 「人」 については、私がサラリーマン時代から今日に至るまで散々苦労させられて来ました。
管理職時代によく言われた言葉
「人材を確保して育てられなければ、お前は無能な管理職だ!」
仰るとおりです!はい。
実際にハローワークに求人を出しても、ネット求人に募集を出しても、労働人口が少なければいずれ求人倍率は上がります。今の世の中がそうであるように、特にサービス業や建設業を始めとして、現在の世の中は他業種に渡り人材の確保が困難を極めています。
原因は何なのでしょうか?。
「苛酷な労働に対しての対価が少なすぎる」。
これは、現在の人手不足に陥っている事業者が今まで労働者に対して提供してきた待遇に対しての仕返しであると思っています。
誰しも、よほどその仕事が好きでなければお客様から苦情まで言われてサービス残業までさせられてその仕事を選択されないでしょう。
今や仕事は少子化問題の波を受けて、今後は労働者が選ばれる時代から労働者が選ぶ時代に変化するのでしょうね。
「人材」という言葉がありますが、これからの世の中は「人財」に変わると言います。「人材」は事業を行う上での財産「人財」であるという味方が広まっています。
人財がいなければ何も出来ません。
「人財」に感謝しない(出来ない)会社は今後生き残れないでしょう。
モノ
余りにもストレート過ぎるかもしれませんが、これに関しては特に言及する必要も有りませんね。何も必要なものなど無い商売なんてあり得ません。
ただ、事業を行っていく上でのイニシャルコストがどれだけ掛かるかは重要です。
多くの初期投資を必要としない事業であれば、収益さえ確実に伸びれば会社の債務も少なく、財務体質的にも会社の成長が早いスピードで進行する事を示します。
初期投資が多額であればそれなりの債務を抱えることとなり、返済期間が長引けばその間の会社の収益性は下がります。
事業を始める時点で潤沢な資金がある場合は別として、始める時点では多少のリスクはあっても必要最低限のモノで揃えて、収益が上がってから徐々に買い足していくのが一般的であると思います。
カネ
起業家の役9割が、起業時に銀行からの融資を受けているのだそうです。
一割の方はもともと元手があったのか、お父さんから借りるのか?定かではありませんがある意味、羨ましい話ですね。
銀行への返済は経費として認められていないので、事業で得た利益から返済金を支払うことになります。
やはり最初に必要なのはお金です。
お金を稼ぐためにお金が必要というのも何とも滑稽な話なのですが、井戸の呼び水と考えたほうが分かり易いかも知れませんね。
そして、始める事業によって将来的な方向性が可視化出来る業態でないと、今起業するのは非常にリスクを伴う世の中へと時代は変化しました。
「一か八かやってみるか!」的なノリで、簡単に商売を始められる世の中ではなくなったように思います。
経営者の資質
借りたお金、稼いだお金を管理するのは、貸借対照表(B/S)と損益計算書(P/L)のおもに2つの財務諸表からですが、この数字が理解出来ていなければ経営者は務まりません。
「オレは読めなくても、税理士が付いているから大丈夫」
絶対に間違いです!!。
会社の財務体質が悪化したら、全てを税理士さんのせいにするのでしょうか?。
粉飾決算が発覚したら、全ての責任を経理に押し付けるのでしょうか?
全ては経営者の責任です。
記者会見で謝罪するにも必ずその企業のトップが出で来ますから、一切に責任逃れが出来ません。
そう言った意味でも損益分岐点が理解出来ていて、貸借対照表と損益計算書の数字を読み取り分析する力が経営者には求められます。
でも、迷ったときには.....そこで税理士さんや先輩経営者さんのアドバイスなどを受ければいいのでは?と感じます。
私も損益計算書しか読めないところから事業をスタートしました。
あとは本人の努力次第でなんとでもなります。
日々、会計ソフトに事業に関わる全ての取引を入力していれば日次貸借・日次損益を把握することも可能です。
会計ソフトに入力する=経営者も最低限の経理業務を把握しておく資質が求められます。
そして、もう一つ
人・モノ・カネ。
もう一つ忘れてはいけな事業に必要なものがあります。
「情熱」 です。
起業する前には、100%の人が情熱を持って準備に取り掛かっていると思います。
事業計画書を作成するときも、銀行に融資を受ける際も、社屋を建築するときも色々な意味で情熱を持って本気で仕事をしていると思います。
この情熱を常に絶やさない努力が必要です。
これは、実際に私がサラリーマンを辞めて現在の事業を始めてから分かったことです。
時につまずき、悩む事もあります。
部下がなかなか自分の思い通りの仕事をしてくれない事もあります。
利益が出ないときもあります。
お客様に理不尽な要求をされる事もあります。
常にストレスとの戦いです。
ここで、事業に対する情熱の炎を絶やしてしまうと、全てが悪い方向へと向いてしまうように思います。
まずは、お客様は経営者の表情を見ています。従業員(部下)は経営者の背中を見ながら仕事をしています。
そんな意味では、経営者は常にポジティブでなければならないと思います。
イヤな事もあります。ストレスも溜まります。返済の債務を負っていると食事も喉を通らない時があります。納税のプレッシャーもあります。
でも、自分が始めた事業。もう後戻りは出来ません。
と、私は常に自分に言い聞かせています。
自分がこの事業を始めた事で、助かっている人、感謝してくれるお客様、雇用の場を与えられた従業員、自分に(あなたに)関わる全ての人が感謝してくれている筈です。
「この世の中に人から感謝されない職業は私は無い!!」と思っています。
(詐欺グループとか悪質業者などは別としますね....笑)
だからこそ、自分の事業は自分の情熱を持って如何なる困難も克服する気持ちを常に忘れないようにしなければならないと強く思います。
不撓不屈(ふとうふくつ)
何事にも屈することなく、最後まで諦めないという事を指す言葉です。
私の座右の銘です。
これは経営者に限ったことではなく、会社員の方や部活や入試などで目標に向かって頑張っている学生さんなど、どなたにでも当てはまる言葉であると思います。
因みに、この言葉に出会ったのはサラリーマン時代でした。
やはり壁にぶつかった時にこの言葉の意味を知り、常に心に刻むことで困難を乗り越えられたと思っています。
この言葉の意味を知り、壁にぶつかった時に自分に語りかけると、次第に解決策や問題を克服しようとする勇気が湧いてきます。
もし、壁にぶち当たって前に進めずにい居る方が居れば、この言葉を思い出して下さい。
言葉の力は、時に人を変えてくれます。
言葉が人を変えるのではなく、言葉を知ったことで人は自分を変えようと努力する生き物であるのだと私自信がそう信じています。
きっと、壁を乗り越えられずに居る人たちの背中を押してくれる、力強い言葉です。
「不撓不屈」
是非、あなたの座右の名にして下さい!!。
まとめ
今日のエントリーはちょっと重い話になってしまいました。
これは自分自身に言い聞かせる意味でも文章に上げて気持ちの整理をしてみたかったというのもあります。
今、壁にぶつかっているのは自分自身なのです....笑。
だからこそ、いまこうして、原点に戻ろうと必死に自分の起業前の考え方や情熱を思い出して文章に落としています。
今現在、起業したくて悩んでいらっしゃる方も少なくないと思います。
起業するには理由が必要です。
その理由を裏付ける数値目標も必要です。
事業の成功・失敗の別れ目は、どれだけ精密な事業の設計図を描けるかにあると思います。つまりは事業計画書です。
設計図もないまま事業を始めると、ある一定の期間が過ぎた時に思い悩む事が多く発生すると思います。事業計画書は、起業するため銀行から融資を受ける為だけの資料ではありません。起業してから、自分自身で経営をしていく上での事業判断の基準を明確にするためのツールであると私は思います。
私は、起業の恩師から、「事業計画書は1ヶ月に1ページでもいいからどんどん増やして行きなさい。起業前に作って終わりではありません」と教わりました。
会社を起業して動き出してから、その事業計画書は始めて本格的に稼働するのです。